脳の元気を作り出す〜質問編

こんにちは。健康オタクの佐藤まちこです。

今回お届けするのは、『自分の状態を知るための質問』です。病気になると「自分の状態が悪かった」と分かります。でも、できるだけそれは避けたいと思いませんか? 可能なら「病気になる前に」知って対処したいですよね。

内臓の状態は健康診断で分かりますが、脳の状態は意外と数値化しづらいものもあり、また実際「数値に現れる前」が重要でもあります。

そこで今回は、「今の自分の状態を知る質問」をお伝えしますので、ぜひ検査では分かりづらい「今の状態」を確認するために答えてみてくださいね。

「フレイル」という言葉を知っていますか? 〜簡単チェック方法~

現代は昔と違い、長く生きる方が増えましたよね。ちょっと前の50代と今の50代を見ても、イメージが全く変わっています。

それに伴い健康問題も変化し、2014年には日本老年医学会が「フレイル」という概念を発表しました。

フレイルとは「Frailty(虚弱)」が語源で、健康な状態と要介護状態の中間に位置することをいいます。つまり「身体的機能や認知機能の低下がみられる状態」です。

まずはこの状態に「気づき」、それに「どう対処するか」で未来が変わります。

フレイルと気づいて適切な治療や予防をすることができれば、要介護状態に進まずにすむ可能性があるのです。

では自分が「フレイル」かどうか・・・? 簡単なチェックをしてみましょう!

  1. 体重が減った・・・気づいたら4〜5キロ体重が落ちていた
  2. 疲労感がある・・・なにもしていないのに疲れを感じることが多い。ため息が多いと家族などに指摘される
  3. 歩行スピードの低下・・・1秒間で1m未満のスピード。横断歩道が青信号の間に渡りきれないことがある
  4. 筋力(握力)の低下・・・利き手で握力が男性26キロ未満、女性なら18キロ未満(体重の40パーセント以下)となってしまった
  5. 身体活動量の低下・・・これまで習慣的に実施していた運動や体操をしなくなった

以上5つの項目のうち、3つ以上あてはまれば「フレイル」、2つ当てはまる方は「フレイル前段階・プレフレイル」と判断されます。

自分で判断すると、意外と甘く答えてしまうので、ぜひご家族など身近な人にも聞いて客観的な判断をしてもらうようにしてください。

脳の元気を作り出す〜質問編

健康でいられる「生活習慣」とは・・・?

健康は「生活習慣」で作られます。あたりまえのことですが、あたりまえすぎて自分の生活習慣を振り返ることを意外としていない方は多いようです。

生活習慣を大きく分けると3つあります。

ひとつは「栄養」。バランスよく食事をとるということですね。

ふたつ目は「運動」。身体を動かすことは心身に良い影響があることを皆さま知ってはいますが、実際に「やっているか」どうかはまた別の話。運動も習慣になると良いですね。

最後は「社会参加」です。脳を鍛えるのに一番良い方法は「人とコミュニケーションをとること」です。

人と話すには「顔を見る」「表情をよみとく」「言葉を選ぶ」「相手の立場になってみる」など・・・多くの脳機能を刺激する場面が含まれています。

若い頃は出会いも多く、また自分自身も出会いを求めて色々な方とコミュニケーションをとることが多いのですが、年々「億劫」な気持ちがでてくるため、どうしても「いつもと同じ」メンバーとのやりとりになりがちです。

栄養と運動をしっかり気をつけていたとしても、社会参加をせずひとりですべて完結するような生活を送っていると、脳に問題がでてきてしまいます。

生活習慣の3つの項目をヒアリングすると、「社会参加」が意外とできていなかったと気づく方が多かったりします。

ぜひ今から行う質問に答えてみて、「健康でいられる生活習慣」ができているのか、自分の現状を確認してみましょう。

フレイルチェックの質問

早速質問を始めます。「はい」か「いいえ」でお答えください。

質問の下にある「→」の後には、一歩踏みこんだ質問をしていますので、そちらも参考にして「はい or いいえ」をお答えください。

  1. 同じ世代の方と比べて、健康に気をつけた食事をしていますか?
    → 野菜を多く取っていますか? 好みのものばかりを食べていませんか?
  2. 野菜料理と主菜(お肉かお魚)を毎日2回以上食べていますか?
    → 朝はコーヒーだけとか、昼はラーメンだけとかではないですか?
  3. 「さきいか」「たくあん」などの固い食品を普通に噛みきれますか?
    → 歯医者さんに定期検診に行っていますか?
  4. お茶や汁物でむせることはないですか?
    → むせていること自体を忘れている方も多いので、家族に自分の食事の時の状態を聞いてみましょう。
  5. 1回30分以上の汗をかく運動を週2回以上、1年以上継続して行っていますか?
    → 汗をかかなくても、30分以上の散歩であっても、散歩のように意識的に運動をしているのであれば「はい」と答えてもらってよいです。
  6. 日常生活において、歩行または同等の身体活動を1日1時間以上行っていますか?
    → 畑仕事のような「体を動かす」ことが仕事や趣味であれば、この質問には「はい」と答えて良いです。家事(食事・掃除・洗濯)を家族の中でいちばん行っている方も「はい」と答えてください。
  7. 同じ世代の方と比べて、自分の歩く速度は速いと感じますか?
    → この質問も、自分では判断しかねる方も多いので、家族などの身近な人にみてもらいましょう。
  8. 昨年と比べて「外出」は増えていますか?
    → 今年はコロナの影響で外出機会がグッと減ってしまっていますが、そのことはさておいても「違う社会とのつながり」があるか、を基準に「はい or いいえ」を答えてください。
  9. 1日1回以上、食事は誰かと共にしていますか?
    → 食事の時に「黙って食べる」のでは、誰かと共にしているとはいえないので「いいえ」という答えになります。家族であっても、なにかしらの会話をして誰かと一緒に食事ができていれば「はい」とお答えください。
  10. 自分は「活気に溢れている人だ」と思いますか?
    → この質問も、自分が思う「自分像」と他者からみた「あなた像」が違いがちです。家族や身近な人に聞いてみましょう。「活気に溢れている」と言ってもらえたら、「具体的にどんなところかな?」と質問してみましょう。身近な家族であっても、もしかして「お世辞」で本当のことを言わない可能性があることも加味して自己判断してみましょう。
  11. 自分の「物忘れ」がないことに自信がありますか?
    → こちらの質問もぜひ、家族など身近な方にも聞いてみましょう。物忘れをしている「本人」は、意外と「自分は忘れていない」と思いがちです。この機会に自分のことを身の回りの方に質問し、客観的に観てみましょう。

いかがでしたでしょうか。「いいえ」と答えたところは、そのことを生活の中で注意するようにしてください。

実践のキーワードは「ちょっとの変化」

年齢を重ねると「夜寝られない」という方も増えてきます。それを年齢のせいだと諦めるのではなく、運動量を増やすなど「生活の変化」を作ってみてみましょう。

年齢を重ねることで起こる変化は、悪いことだけではありません。変化により「自分の習慣に気づける」良いきっかけがたくさんあると捉えましょう。

「変化を楽しむ」というキーワードで、楽しんでいきましょう。楽しむ気持ちが、健康の軸でもありますよ。

今回も最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。