誤って削除や上書きしても大丈夫!以前のバージョンのファイルを復元する2つの方法

大切なファイルをうっかり削除してしまい、あとから気づいて困ったことはないでしょうか?Windowsのパソコンの場合、削除したファイルはゴミ箱に移動され、30日経過すると自動的に削除されます。誤って削除した際にすぐに気付けばゴミ箱から戻せますが、時間が経っていると簡単には戻せません。また、上書き保存したファイルを修正前の状態に戻したくなった場合も、元通りにするのは容易ではありません。

今回は、このように誤って削除したり上書きしたりしたファイルを、簡単に復元する方法を紹介します。

Windows10のファイル履歴から復元する

Windows10には「ファイル履歴」というバックアップ機能が標準搭載されています。これは設定した時間になると自動的に対象のファイルをコピーして保存してくれるもので、ファイルを紛失しても履歴から簡単に復元できるようになります。

この機能は初期状態ではオフになっているため、利用するには「コントロールパネル」から「ファイル履歴でファイルのバックアップコピーを保存」を選んでオンにします。この際、ファイルのバックアップ先としてUSBメモリや外付けハードディスクなどを用意しておく必要があります。パソコン本体のハードディスク(Cドライブ)をバックアップ先に指定することはできません。

誤って削除や上書きしても大丈夫!以前のバージョンのファイルを復元する2つの方法
バックアップには外付けストレージが必要

ファイル履歴をONすると、指定した間隔で自動的にバックアップファイルが作成されます。紛失したファイルを復元したい場合は、[スタート] → [設定] → [更新とセキュリティ] → [バックアップ] → [バックアップ オプション] → [現在のバックアップからファイルを復元]の順にクリックし、「ファイル履歴」の一覧が表示されたら復元したいファイルを選択します。

参照
大切なデータを守る! 安心・確実バックアップ術 – Microsoft atLife

ちなみに、Windowsには「ファイル履歴」と似たような機能に「システムの復元」があります。どちらもWindows10に標準搭載されている機能ですが、「システムの復元」はパソコンに異常があったときなどにシステム全体を以前の状態の戻すためのものなので、復元させたいファイル以外も過去の状態に戻ってしまいます。

また、Macには「Time Machine」という自動バックアップ機能が標準搭載されており、Windowsの「ファイル履歴」と同じように、外部ストレージに保存した履歴からファイルを復元できます。

OneDriveのバージョン履歴機能から復元する

OneDriveとは、クラウド上のオンラインストレージとパソコン・スマホ上のローカルストレージ(OneDriveフォルダ)を同期し、複数のデバイス間でデータの共有や同期を可能にする機能で、Windows10には標準で搭載されています。

この方法で復元できるのはパソコン内のOneDriveフォルダに保存したファイルに限られますが、ファイルの変更履歴を遡って好きなポイントで復元でき、保存先の外部ストレージを用意する必要がないところが大きなメリットです。

OneDriveフォルダ内のファイルに加えた変更履歴はすべて自動的に保存されるため、普段のパソコン作業で使用するファイルをOneDriveフォルダ内に保存するようにすれば、万が一のファイルを破損したり紛失したりしても簡単に過去の状態に復元できます。

また、通常、Windows上で、ゴミ箱から削除したファイルや、ショートカット「Shift+Delete」でゴミ箱を経由せずに削除したファイルは、もとに戻すことができませんが、OneDriveのサーバ側には「削除したファイル」としてファイルが残っているので30日以内であれば復元できます。

先述の「ファイル履歴」では、一定間隔(1時間に1回など)でバックアップを実行するのに対して、OneDriveではファイルが変更されるたびにバージョン履歴が記録されるため、履歴の管理という点ではOneDriveのほうが優れていると言えるでしょう。

誤って削除や上書きしても大丈夫!以前のバージョンのファイルを復元する2つの方法
変更履歴を選んで簡単に過去のファイルに戻せる

パソコンにOneDriveアプリがインストールされていれば、右クリックで[バージョン履歴]を選択することでファイルを復元できます。また、ブラウザでOneDriveのウェブページにアクセスして紛失したファイルを復元することもできます。

参照
OneDrive – 楽しもう Office
OneDrive に保存されている以前のバージョンのファイルを復元する – Office サポート

OnedDriveのほかにも、同じクラウドストレージサービスの「DropBox」や「Google Drive」も同じようなバージョン管理の機能を備えているため、使い慣れているサービスがあればそちらを使用しても良いでしょう。

まとめ

以前のバージョンのファイルを復元する方法として、Windows標準の「ファイル履歴」機能と、クラウドストレージのOneDriveを使う方法のふたつを紹介しました。以下におおまかな特徴をまとめます。

バージョン管理機能の違い
特徴 ファイル履歴 OneDrive
ファイルの保存先 外部ストレージ(USBメモリー、外付けハードディスクなど) クラウドストレージ
容量 ストレージ容量に依存 5GB(無料版の場合)
バックアップ間隔 一定時間ごと ファイルを変更ごと

大切なファイルをうっかり消してしまってもすぐに復元できるように、今回紹介したいずれかの方法でバックアップの設定をしておくと安心です。