突然の停電によるパソコンデータの消失を防ぐための4つの方法

突然の停電によるパソコンデータの消失を防ぐための4つの方法

突然の落雷・停電でパソコンの電源が落ちて、せっかく作っていた資料が消えてしまったという経験はないでしょうか。最近ではリモートワークが増えたせいか、複数の部屋でエアコンが稼働しているときに電子レンジを使ってしまい、ブレーカーが落ちて作業中のファイルが消失、という話も聞かれます。

作業中のデータを突然失うことは、時間的な損失だけでなく、これまでの作業が無駄になったという精神的なダメージも大きいため、何度も続くと仕事全体のパフォーマンス低下に繋がりかねません。

そこで今回は、突然の停電時に作業中のファイルを失わないためのパソコン停電対策を紹介します。大きく分けるとハードウェアの対策とソフトウェアの対策の2種類があるので、順番に確認していきましょう。

UPS(無停電電源装置)を使う

UPS(Uninterruptible Power Supply / 無停電電源装置)とは、電力供給のトラブルを感知して、自動的にパソコンに電力を供給する機器です。突然停電した場合でも、UPSの内蔵バッテリーからパソコンに電力が供給されるため、パソコンの電源は落ちることなく、しばらくの間はそのまま作業が続けられます。この間に必要なデータを保存した上で、正しくシャットダウンすることにより、パソコンの保護が可能となります。また、複数機器への電源供給ができるため、パソコンだけでなく、ディスプレイやルータ、外付けハードディスクドライブなども同時に停電対策ができます。

停電時にバッテリーがどのくらい持つかはメーカーや機種によって異なりますが、UPSのメーカーとして人気の高いオムロン社の「BZ50LT2(500VA)」の場合は、パソコン1台(100W)を接続した状態で約19分使用できます。

参照:バックアップ時間の目安 – オムロン

本来、UPSはパソコンを安全にシャットダウンさせるための機器なので、停電時の予備電源として使えるものではありませんでしたが、最近は大容量バッテリーを搭載したUPSも数多く出回っており、宅内だけでなく、アウトドアシーンなどで活用されることもあります。サーバーとして利用しているコンピュータがあるなど、停電から復旧するまで電源を落としたくない場合は、大容量のバッテリーを搭載したモデルを検討した方がよいでしょう。ただしバッテリー容量が大きくなるほど価格も高くなります。

安価なものであれば5,000円以下で購入できるものもあるので、なるべくコストをかけずに停電対策をしたい場合にもおすすめです。

ノートパソコンを使う

ノートパソコンはデスクトップパソコンと違ってバッテリーを内蔵しているため、停電してもすぐに電源が落ちることはありません。

筆者はもともとデスクトップパソコンを使っていましたが、数年前に落雷の多い地域に引っ越してからは月に1回以上のペースで停電が起こるため、ノートパソコンをメインマシンとして使うようになりました。ただしそのままだと画面が小さくて作業効率が悪いので、外付けのディスプレイを接続して使用しています。

停電時はパソコンだけでなくディスプレイやルータ、光回線の終端装置などの周辺機器の電源も落ちるため、光回線を使用したインターネット接続はできなくなりますが、ノートパソコンならスマートフォンのテザリングを使ってすぐにネット接続を再開できます。

デスクトップパソコンであることに特にこだわりがなければ、停電の多い地域ではノートパソコンの使用をおすすめします。

突然の停電によるパソコンデータの消失を防ぐための4つの方法

アプリの自動保存機能を使う

前の2つの対策は、停電時にパソコンの「電源が落ちないようにすること」が目的でしたが、ここからは「パソコンの電源が落ちてもデータを失わないようにする」方法です。ソフトウェア側の対策なので、基本的に無料でできるのがメリットです。

突然の停電で消えてしまうのは「未保存のデータ」なので、作業中のファイルを定期的に保存していれば、停電で失われるデータも最小限ですみます。

WordやExcelなどのオフィスソフトは作業中のファイルを一定の間隔で自動的に保存する機能がありますし、PhotoshopやIllustratorなどのAdobe系のソフトもオートセーブ機能や自動保存のプラグインが利用できます。また、Windowsには、さまざまなアプリケーションに自動保存機能を追加する「AutoSaver」というフリーソフトもあります。これらを活用して作業中のファイルを定期的に保存する仕組みにしておけば、停電によるデータ消失のリスクは大幅に減らせるでしょう。

オンライン版のアプリを使う

メールとオフィスソフトでの作業がメインの場合は、これまでデスクトップアプリで行っていたこれらの作業をオンライン版のアプリに移行することで、停電によるデータ消失を防げるだけでなく、パソコン故障時のバックアップも同時にできるようになります。

Googleアカウントを持っていれば、Gmail、ドキュメント、スプレッドシート、スライド、などが無料で利用できますし、Microsoftアカウントも持っていれば、Outlook、Word、Excle、PowerPoint、OneNote、カレンダーなどが使えます。普段、WordやExcelで行っている作業をウェブブラウザ上で行うだけなので、特に難しいことはありません。

オンライン版のアプリでは、作成中のファイルは数秒ごとにインターネット上のサーバーに自動保存されます。そのため、作業中にパソコンの電源が落ちたり、パソコンが突然故障した場合でも、ファイルは最新の状態でサーバー上に残っているため、停電復旧後に再度アクセスすれば、中断されたところからすぐに作業を再開できます。

GoogleやMicrosoftのオンライン版アプリは、アカウントを持っていれば無料で利用できるので、使ったことない方は是非一度試してみてください。

参照
Google ドキュメント – オンラインでドキュメントを作成、編集できる無料サービス
Microsoft Office | 無料Web版のWord、Excel、PowerPoint