画面分割機能を使って快適な作業環境を作ってみよう

画面分割機能を使って快適な作業環境を作ってみよう

ウェブブラウザで調べ物をしながらWordで文章を書く時のように、複数のアプリケーションを同時に操作しながら作業する際、アプリケーションを何度も切り替えるのが面倒だと思ったことはないでしょうか?モニターを2台用意すれば、左側のモニターでウェブブラウザで開いて調べ物をしながら、右側のモニターでWordを開いて文章を書くことができますが、このようなデュアルモニター環境を用意するには場所も費用もかかります。

そこで今回は、パソコン画面上に複数のアプリケーションを同時に表示できる画面分割機能を使って、複数のアプリケーションを使った作業を素早く行う方法を紹介したいと思います。

画面分割の使い方

ウィンドウ画面の分割機能は、Windowsでは「スナップ機能」、macOSでは「Split View(スプリットビュー)」と呼ばれ、それぞれWindows7以降、macOS El Capitan以降から使用できます。まずはOSごとの操作方法を紹介します。

Windowsで画面分割する方法

ウィンドウのタイトルバーを選択し、画面の端までドラッグすると半透明の枠が表示されるので、マウスから指を話すと半透明枠の領域にウィンドウが表示されます。キーボードから操作する場合は、Windows ロゴキー + 左右方向キーを押せば、ウィンドウが指定した位置に配置(スナップ)されます。

参考:Windowsをスナップする

macOSで画面分割する方法

ウインドウの左上隅にあるフルスクリーン表示の緑色ボタンを長押しし、メニューから「ウインドウを画面左側にタイル表示」または「ウインドウを画面右側にタイル表示」を選択すると、ウインドウが画面の指定した側に収まります。OSのバージョンによって操作方法が若干異なりますので、詳しくは下記のリンクを参照してください。

参考:Split ViewでMacのAppを2つ並べて表示する – Appleサポート

Windowsのスナップ機能は画面を上下左右方向に最大4分割できますが、macOSのSplit Viewで分割できるのは左右2分割のみです。また、Split Viewはキーボードショートカットには対応しておらず、キーボード操作で起動するためには別途サードパーティ製の画面分割アプリケーションをインストールする必要があります。OS標準の画面分割機能においてはWindowsのほうが優れているといえるでしょう。

フォルダを分割してファイル整理を効率化

続いては、実際にどのようなときに画面分割が役に立つのか、実際の利用シーンとあわせて解説します。はじめに紹介するのは画面分割を利用したファイルの整理術です。

特定のファイルを現在のフォルダから別のフォルダに移動したい場合、画面を左右に分割した状態で、それぞれのウィンドウで移動元フォルダと移動先フォルダを開き、ファイルをドラッグ&ドロップすることで、フォルダ間のファイル移動が素早く行えます

画面分割機能を使って快適な作業環境を作ってみよう
左画面:フォルダ(アイコン表示)
右画面:フォルダ

この方法は特に、「デジカメのSDカード内の写真をパソコンのピクチャフォルダに移動する」など、大量の画像ファイルを整理する際に便利です。移動元フォルダをアイコン(サムネイル)表示にすることで、画像を確認しながら整理できるため、単一のウィンドウで作業するよりもずっと効率的にファイル整理が行えます。

ブラウザを分割してネット閲覧を効率化

続いて、画面分割を使ってネットサーフィンやネットショッピングを効率化する方法を紹介しましょう。ここでは、Amazonで複数の商品を比較する場合の流れを例にします。

画面分割機能を使って快適な作業環境を作ってみよう
左画面:ウェブブラウザ(商品一覧)
右画面:ウェブブラウザ(商品詳細)

まず画面を左右に分割してウェブブラウザをそれぞれ開き、左側のブラウザでキーワード検索をして商品一覧を表示させます。通常は商品一覧の中から気になる商品をクリックして詳細画面に進みますが、クリックではなく右側のウィンドウにドラック&ドロップし、右側の画面で商品詳細画面を開きます。こうすることで左側のウィンドウに商品一覧を表示したまま右側の画面で詳細情報を確認できます。一覧画面と詳細画面を行ったり来たりする手間が省けるので、複数ページの回遊がとても楽にできるようになります。

文章やブログ作成を効率化

最後に紹介するのは、左画面に文章作成ソフト(Word、メモ帳など)、右画面にウェブブラウザを配置したレイアウトです。調べ物をしながら文章を書きたいときや、ブラウザでプレビューしながらブログやプログラムを書きたいときに非常に便利です。
画面分割機能を使って快適な作業環境を作ってみよう
左画面:文章作成ソフト(Word、メモ帳など)
右画面:ウェブブラウザ

こちらは左側にブログの編集画面、右側にプレビュー画面を配置した例。編集画面とプレビュー画面をひとつの画面に同時に表示することで、記事の編集→プレビューを繰り返す時間が短縮でき、執筆作業の効率がアップします。
画面分割機能を使って快適な作業環境を作ってみよう
左画面:ウェブブラウザ(編集画面)
右画面:ウェブブラウザ(プレビュー画面)

画面分割をうまく活用すればデュアルモニター環境のような快適さが実現できる

筆者は数年前までデュアルモニター(パソコンのディスプレイを2台並べて作業すること)の環境で仕事をしていましたが、使用しているmacOSで画面分割ができるようになってからは24インチのディスプレイ一台だけで作業しており、特に不自由を感じていません。

もちろん、2台のディスプレイを使用した場合に比べるとひとつのウィンドウに表示できる情報量は減りますが、仮想デスクトップ機能(複数のデスクトップを切り替えられるOS標準機能)と併用すればカバーできるため、特に問題はありません。むしろサブディスプレイの購入費用が削減でき、デスクまわりもすっきりするので、メリットのほうが上回ると感じています。

画面分割機能は一度使い始めると分割せずにいられなくなるほど便利なので、画面分割ができることを知らなかった人も、知っていたけど使ったことがない人も、ぜひ一度試してみてください。