無料でダウンロードできて商用利用可能なパブリックドメインの絵画をデザイン素材に使ってみよう
チラシやPOPなどに使う挿絵やイラスト、あるいはブログやSNSで使うアイコンや背景画像など、ちょっとした画像・イラスト素材が欲しいときには、インターネットの無料素材サイトを使うと便利ですが、なかなか気に入ったイラストを見つけられずに何時間も探し回ってしまうことはないでしょうか？
今回はそんなときに覚えておくと便利な、ハイクオリティーかつ商用利用可能なパブリックドメインの絵画をダウンロードする方法を紹介したいと思います。背景画像に名画を使うだけで、以下のような荘厳な雰囲気のあるバナー画像が作れるので、ぜひ参考にしてみてください。
パブリックドメインとは？
パブリックドメイン（public domain）とは、著作物や発明・デザインなどの知的創作物について、知的財産権が発生していない、または消滅した状態を指します。パブリックドメインの知的創作物はオープンコンテントとも呼ばれ、著作者の許可を得ることなく、誰でも自由に利用・修正・再頒布できるものと解釈されます。オープンコンテントの作品は、個人利用・商用利用を問わず、ウェブサイトやブログ、SNSなどで自由に使えます。
1. 美術館のウェブサイトからダウンロードする
はじめに紹介するのは、パブリックドメインの作品が無料でダウンロードできる海外の美術館のウェブサイトです。ここ数年、世界の有名な美術館・博物館が、保有する美術品の数々をオープンコンテントとして公開する動きが活発になっており、多くの美術館のウェブサイトでパブリックドメインの作品の画像データをダウンロードできるようになっています。今回はその中から初心者にも利用しやすいサイトをいくつかピックアップしました。
メトロポリタン美術館
アメリカ・ニューヨークにある世界最大級のメトロポリタン美術館のウェブサイトでは、同美術館が収蔵しているコレクションから、37万点以上のパブリックドメイン作品の高解像度画像をダウンロードできます。
作品を探すときは「Search The Collection」のページにアクセスし、検索ウィンドウの「Open Access」にチェックを入れて検索することで、パブリックドメインの作品に絞り込めます。また、地域や年代などで細かくフィルタリングでき、目的の作品が探しやすいのも特徴です。膨大な作品数でありながら動作も軽快で、個人的にはこのサイトが一番使いやすいと思いました。
NYPL Digital Collections（ニューヨーク公共図書館）
ニューヨーク公立図書館が公開している「NYPL Digital Collections」では、書物や写真、原稿、地図、楽譜など、88万枚を超えるデジタル資料を無料でダウンロードできます。
検索ウィンドウの「Search only public domain materials」にチェックを入れることでパブリックドメインの資料だけに絞り込んで検索できます。
Paris Musées
フランスのパリ市内にある14の美術館・博物館を管理する「ParisMusées」が公開しているコレクションです。26万点以上の絵画や美術品画像が、無料で自由に利用・修正・再頒布可能なオープンコンテントとしてインターネットに公開されています。
「Images libres de droit」にチェックを入れて検索することで、オープンコンテントに絞り込んで検索できます。前述の2つのサイトと比較してやや動作が重いのが難点です。
2. 多数の絵画が収録されたパッケージソフトを利用する
パブリックドメインの絵画は美術館などのウェブサイトから画像データを無料でダウンロードできますが、その多くは海外のウェブサイトであり、日本語化されていないため、目的の絵画を探しにくいというデメリットがあります。
例えば、同じフランスの画家の作品でも、フランスの「ParisMusées」にある作品もあればアメリカの「メトリポリタン美術館」にある作品もあるため、自分が欲しい絵画のデータがどの美術館のウェブサイトにあるのか探すところから始めなければなりません。
こういった場合は複数の絵画のデータをまとめて閲覧でき、画像の検索やリサイズも自由に行える「センペンバンカ」のようなソフトを使うと便利です。画家のプロフィールもされており、正式な名前や生没年、どの時代でどのように活躍したかなどがひと目で分かるため、デザイン素材集としてだけでなく、美術や絵画を楽しむための教養・学習ソフトとしても役立つでしょう。
現在発売中の「センペンバンカ」シリーズは下記の4種類があります。
普段、無料のイラスト素材サイトの画像を使っている方も、挿絵や背景に名画を取り入れるだけでガラッと雰囲気の違うデザインが作れるようになります。ぜひ参考にしてみてください。
