会社のOA機器をクラウド化してリモートワークを効率化しよう

会社のOA機器をクラウド化してリモートワークを効率化しよう

昨年から今年にかけて多くの会社で急速にテレワーク化が進みましたが、オフィスにほとんど行かなくなったのにOA機器はそのままで、リース契約の費用だけが毎月発生しているということはないでしょうか?

今回は、テレワークで使わなくなったOA機器を断捨離し、これらをアプリやウェブサービスで代用するアイデアを紹介します。

複合機(プリンタ、スキャナ、FAX)はスマホアプリで代用する

本来、テレワークやリモートワークでの書類のやりとりは、メールなどを使ってデジタルで行うべきですが、デジタル化の準備が十分でないままリモートワークを実施せざるを得なかった会社も多いと思います。このような場合、自宅で仕事をしながら紙の書類をスキャンしたり、FAXで送付したりといったことが必要になることもあるでしょう。

スキャナについては、家庭用のプリンタについているスキャナ機能で十分です。プリンタがなければスマートフォンのスキャナアプリも手軽に使えます。特にAdobeの提供している「Adobe Scan」はOCR機能も付いていて非常に便利です。

FAXでのやりとりが必要な場合はインターネットFAXを使うとよいでしょう。自宅にFAX機や固定電話がなくても、メールや専用アプリを使ってFAXの送受信できます。

スキャナアプリやインターネットFAXは月額コストがかかりますが、複合機のリース代に比べれば微々たるものです。

会社のビジネスフォンはクラウド型ビジネスフォンに置き換える

クラウド型ビジネスフォンとはスマートフォンに専用アプリをインストールすることでスマートフォンをビジネスフォンのように使えるサービスのことです。インターネット環境があればどこからでも利用でき、内線・外線通話や転送はもちろん、連絡先・通話履歴の管理など、一般的なビジネスフォンのほぼすべての機能が備わっています。ひとつのアプリ内だけで作業が完結できるため、普段使っている私物のスマホでも仕事とプライベートと分けて利用できます。

配線工事やメンテナンスも不要で、会社からスマホの支給やリースをする必要もないため、通常のビジネスフォンをリースする場合に比べて、ランニングコストを大幅に削減できる点も大きなメリットです。

私物のパソコンを使う場合は事前に運用ルールを決めておく!

リモートワークで使用するパソコンは、「自宅にある私物のパソコン」か「会社から支給されたノートパソコン」のどちらかだと思いますが、いずれの場合も一長一短があります。

私物のパソコンを使う場合は、普段の扱い慣れたパソコン環境ですぐにリモートワークを始められ、初期コストも抑えられます。仕事とプライベートでメールやファイルを分けたい場合は仕事用のユーザアカウントを追加して作業すればよいでしょう。ただし、OSの種類やマシンのスペックによっては、必要な業務ソフトやセキュリティソフトのインストールができないことがあり、管理が複雑になる上、使用者にある程度パソコンの知識が求められます。また、顧客情報をパソコン内に保存しないなどの運用ルールもきちんと決めておく必要があります。

会社で支給されたノートパソコンを使う場合は、上記の問題はクリアできますが、スタッフ全員がリモートワークをするためには人数分のノートパソコンのコストがかかります。

もうひとつ、コストがかからずマシンの設定手間も軽減できる方法として、「Chrome リモートデスクトップ」や「Team Viewer」などのリモートデスクトップアプリを使用して、自宅のパソコンから会社のパソコンを操作するといった方法があります。インターネット回線の環境によっては遅延が発生するなどのデメリットはありますが、いつも使っている会社のパソコンで作業ができ、追加コストも不要なため、短期間だけリモートワークをする場合にはおすすめです。

共有ハードディスク(ファイルサーバー)はクラウドストレージサービスに置き換える

会社で共有ファイルサーバーとしてNAS(ネットワークHDD)を利用している場合は、GoogleDriveやDropboxなどのクラウドストレージサービスに置き換えれば、共有ファイルに自宅のパソコンからアクセスできます。

3〜5人くらいの小規模なチームであればGoogleDriveやDropboxなどの無料で使えるクラウドストレージサービスを個々に利用しても良いですが、それ以上の人数で使う場合はGoogle Workspace(旧称 G Suite)やDropbox Businessなどのグループ向けのサービスを利用すれば、セキュリティなどの管理が一元化できるため、より安全で効率的に作業が行えます。ただし、チームの人数やストレージの容量に比例して月額コストが大きくなります。

社内のNASに外部のパソコンからアクセスできるようにすれば、ランニングコストはかかりませんが、この場合は自社内にネットワークに詳しいスタッフがいて、きちんとセキュリティ対策ができる必要があります。

まとめ

会社のOA機器をクラウド化してリモートワークを効率化するためのヒントを紹介しました。いきなりすべてのOA機器をクラウド化するのではなく、できるところから少しずつクラウドに移行していけば、スムースに切り替えができるでしょう。