簡単に電子印鑑を作れる無料ソフト「おまかせ電子印鑑 Free」で書類の押印作業を高速化してみた
みなさんはWordやExcelで作った書類に印鑑を押す作業が面倒だと感じることはないでしょうか?
数年前に私が働いていた会社では、見積書や請求書に担当者印を押印する際、Excelで作った書類をいったんプリントアウトし、担当者印を押印し、その書類を再度スキャンしてPDF化し、メール添付して顧客に送付するという作業を日に何度もやっていました。
普段からオンラインで決済をしている会社からしてみれば笑ってしまうような話かもしれませんが、ITに馴染みのない業界では、このような方法で書類の押印作業を行っている会社は少なくないように思います。
そこで今回は、電子印鑑を作れる無料ソフト「おまかせ電子印鑑 Free」を使って、面倒な書類への押印作業をパソコン上だけで完結させる方法を紹介したいと思います。
「おまかせ電子印鑑 Free」の主な機能
今回使用する「おまかせ電子印鑑 Free」は、簡単な操作で電子印鑑を作成できる無料のユーティリティソフトです。作成した電子印鑑はWordやExcelで作った書類にドラッグアンドドロップで押印できるため、山積みの書類をめくりながらポンポンと印鑑を押す感覚で使うことができます。
オリジナルの電子印鑑の作り方
それでは実際の使い方を見ていきましょう。ソフトを起動するとメイン画面が表示されるので、「新しく印鑑を作成する」をクリックし、印鑑の新規作成画面を開きます。
フリー版の「おまかせ電子印鑑 Free」で作成できる電子印鑑の種類は「認印・三文判」「データネーム印」「ビジネス印」「ユーザー印」の4種類で、このうち書類に担当者印を押す場合に、最もよく使われるのは「認印」です。印鑑の形やフォントスタイル、さらに文字のかすれや傾きも調節できるので、じっくり調整すればかなり本物っぽい陰影に仕上げられます。
印鑑が完成したら、画面下部の「この印鑑を登録する」をクリックすれば、作成した印鑑が保存され、メイン画面の一覧に表示されます。
作った電子印鑑をWordやExcelの書類に押印する方法
作成した印鑑を「印鑑パネル」に登録すると、最大3つの印鑑が画面の右下に常駐表示されます。この状態でWordやExcelなどのアプリケーションを起動し、「印鑑パネル」から書類上に印鑑をドラッグ&ドロップすれば、電子印鑑を押印できます。印鑑のサイズはあらかじめ調節しておくこともできるし、押印後に調節することもできます。
ちなみに、Microsoft以外のOffice系ソフトでも使えるかどうか試してみたところ、「Apache OpenOffice」では問題ありませんでしたが、「Excel Online」や「Googleスプレッドシート」などのブラウザ上で操作するアプリケーションでは、印鑑パネルからドラッグ&ドロップしても画像がダウンロードされてしまい、書類上に印鑑が反映されませんでした。個人的にはGoogleスプレッドシートを普段からよく利用しているため、この点は少し残念です。
ちなみに、どうしてもGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートで使いたいという場合は、一度印鑑を画像としてデスクトップに保存し、デスクトップからGoogleドキュメント(Googleスプレッドシート)上に印鑑をドラッグ&ドロップすることで、書類上に印鑑を押すことができます。
既存の印鑑を電子印鑑として使うには有料版へのアップグレードが必要
オリジナルの電子印鑑をゼロから作成して書類に押印する場合の流れは上記のとおりですが、既存の印鑑を電子印鑑として使う場合はどうすればよいのでしょうか?会社などで使用する場合はこちらのケースの方が多いのではないかと思います。
既存の印鑑の陰影を電子印鑑として登録するためには、印鑑の一覧画面に表示されている「スキャナ印」を使うのですが、残念ながらこの機能を使うためには有料版の「おまかせ電子印鑑PREMIUM」にアップグレードする必要があり、フリー版では利用できません。「おまかせ電子印鑑PREMIUM」は、作成できる印鑑の種類がフリー版の5種類から10種類増え、さらに本格的な印鑑用フォントも使えるようになるため、無料版の機能で物足りない場合は有料版へのアップグレードを検討するとよいでしょう。
おまかせ電子印鑑 Free |
おまかせ電子印鑑 PREMIUM |
|
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価格 | 0円(無料) | 12,000円 |
印鑑の種類 | ◯ 認印・三文判 ◯ データネーム印 ◯ ビジネス印 ◯ ユーザー印 × 住所印 × 会社印 × イラスト印 × スキャナ印 × 印章用フォント |
◯ 認印・三文判 ◯ データネーム印 ◯ ビジネス印 ◯ ユーザー印 ◯ 住所印 ◯ 会社印 ◯ イラスト印 ◯ スキャナ印 ◯ 印章用フォント |
印鑑のかすれ表現 | ◯ | ◯ |
印鑑パネル機能 | ◯ | ◯ |
電子印鑑用フォント | × | ◯ |
PDFに直接押印 | × | ◯ |
実際に使った感想
フリー版はPDFに押印できない、既存の印鑑を電子印鑑化できないなど、本格的に電子印鑑として利用するには機能的に物足りない部分はあるものの、個人利用、もしくは社内のみで利用する認印などであれば問題なく利用できるレベルではないか思います。少なくとも、書類をプリントアウトして押印してスキャンしてPDF化、といったアナログな押印作業に比べれば、パソコン上だけで押印作業が簡潔するぶん、ずっと効率的と言えるでしょう。電子印鑑の導入を検討している人にはぜひ一度試していただきたいソフトです。